倉 悠貴
翔(大沼 翔)役
1999年12月19日生まれ、大阪府出身。学生時代に地元の大阪でスカウトされ、その年のドラマ「トレース~科捜研の男~」(19/CX)で俳優デビュー。その後も、メ~テレ「his~恋するつもりなんてなかった~」(19)、Netflixオリジナルドラマシリーズ「FOLLOWERS」に出演。来年、映画『樹海村』(清水崇監督)、『街の上で』(今泉力哉監督)、主演作『衝動』(土井笑生監督)の公開が控える。
石内 呂依
泰我(平川 泰我)役
2000年9月9日生まれ、福岡県出身。全国2012人からオーディションで選ばれ、本作で俳優デビュー、映画初出演となる。ドラマ「左手一本のシュート」(20/BS-TBS)、「MIU404」(20/TBS)に出演。
さいとう なり
都 役
1994年7月8日生まれ、東京都出身。映画『となりの怪物くん』(18/月川翔監督)、『走れ!T校バスケット部』(19/古澤健監督)などに出演し、『映画 としまえん』(19/高橋浩監督)で本格的に映画デビュー。『ホットギミック ガールミーツボーイ』(19/ 山戸結希監督)、『シグナル100』(20/竹葉リサ監督)などに出演。笑顔が印象的なバスクリンの「きき湯」のCMが話題になっている。
安部 賢一
大沼 直之(翔の父)役
1973年8月4日生まれ、大分県出身。高校卒業後、競輪選手を目指すも競輪学校に合格できずに断念する。その後、上京し役者の道へ。受からなければ役者をやめると決めて受けた最後のオーディション「ガチ☆星」(18/江口カン監督)で初主演をつかむ。長身と得意のアクションを活かし出演作多数。近年の主な映画に、『アウトレイジ ビヨンド』(12/北野武監督)、『アンダー・ユア・ベッド』(19/安里麻里監督)、ドラマ「BG身辺警護人」(18/テレビ朝日)、「死役所」(19/テレビ東京)、「まどろみバーメイド ~屋台バーで最高の一杯を。~」(19/テレビ大阪・BSテレ東)、「江戸前の旬season2」(20/BSテレ東)、「鈍色の箱の中で」(20/テレビ朝日)など多数。
杉野 希妃
大沼 由香里(翔の母)役
広島県出身。2005年、韓国映画『まぶしい一日』で俳優デビュー。続けて『絶対の愛』(06/キム・ギドク監督)に出演。『歓待』(10/深田晃司監督)では主演・プロデューサーを務める。出演・プロデュース作は『おだやかな日常』(12/内田伸輝監督)、『ほとりの朔子』(13/深田晃司監督)他多数。『マンガ肉と僕』(14)で監督デビューを果たし、2作目の『欲動』(14)で釜山国際映画祭Asia Star Awardsの新人監督賞を受賞。監督・主演作『雪女』(16)は東京国際映画祭コンペティション部門に正式招待された。『海の底からモナムール』(ロナン・ジル監督)、『ユキとの写真』(ラチェザール・アヴラモフ監督)、『愛のまなざしを』(万田邦敏監督)などの出演作が公開待機中。
後藤 成貴
大沼 昇(翔の弟)役
2014年6月9日生まれ、福岡県出身。出演作品には、FBS福岡放送開局50周年記念ドラマ「天国からのラブソング」他。フジテレビ「GO!GO!チャギントン」にキッズナビゲーターとしてレギュラー出演中。今作が映画初出演となる。
大塚 まさじ
有田(ペットショップの店長)役
1950年3月18日生まれ、大阪府出身。フォークシンガー。1969年に大阪・難波元町に喫茶「ディラン」を開店。永井ようと「ザ・ディランII」を結成し、『男らしいってわかるかい/プカプカ』でレコードデビュー、74年の解散までに5枚のアルバムを発表。76年、アルバム「遠い昔ぼくは…」でソロデビュー。85年からは全国一周ひとり旅ツアーを開始。俳優としてNHK新銀河ドラマ「この指とまれ!!」(95)、NHK連続テレビ小説「芋たこなんきん」(06)などに出演。映画『父のこころ』(14/谷口正晃監督)、『祭りのあと』(17/渡辺和徳監督)に主演している。ラジオパーソナリティ、著述家としても活躍中。昨年、「歌詞集 月のしずく」(ビレッジプレス)を上梓した。
高良 健吾
小林(翔の高校の教師)役
1987年11月12日生まれ、熊本県出身。2006年映画デビュー。『軽蔑』(12/廣木隆一監督)で高崎映画祭主演男優賞を受賞。『苦役列車』(13/山下敦弘監督)で日本アカデミー賞優秀助演男優賞、『横道世之介』(14/沖田修一監督)でブルーリボン賞主演男優賞を受賞。2019年は『多十郎殉愛記』(中島貞夫監督)、『アンダー・ユア・ベッド』(安里麻里監督)、『人間失格 太宰治と3人の女たち』(蜷川実花監督)、『狼煙が呼ぶ』(豊田利晃監督)、『葬式の名人』(樋口尚文監督)、『カツベン!』(周防正行監督)の6本が、2020年は『星の子』(大森立嗣監督)が公開。来年は『あの子は貴族』(岨手由貴子監督)が公開されるほか、大河ドラマ「青天を衝け」に出演。
リリー・フランキー
古賀 正勝(翔の祖父)役
1963年11月4日生まれ、福岡県出身。イラストやデザインのほか、文筆、写真、作詞・作曲、俳優など、多分野で活動。初の長編小説「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」は2006年本屋大賞を受賞、また絵本「おでんくん」はアニメ化された。映画では、『ぐるりのこと。』(08/橋口亮輔監督)でブルーリボン賞新人賞、『凶悪』(13/白石和彌監督)と『そして父になる』(13/是枝裕和監督)で第37回日本アカデミー賞優秀助演男優賞(『そして父になる』は最優秀助演男優賞)など多数受賞。第71回カンヌ国際映画祭では、主演を務めた『万引き家族』(18/是枝裕和監督)がパルムドールを受賞。『アイヌモシリ』(20/福永壮志監督)が公開中。2021年に『騙し絵の牙』(吉田大八監督)が公開予定。
原 日出子
古賀 春子(翔の祖母)役
東京都出身。1979年に『夕焼けのマイ・ウェイ』(岡崎明監督)で映画初出演。1981年、NHK連続テレビ小説「本日も晴天なり」の主演に抜擢され脚光を浴びる。2019年、映画『鈴木家の嘘』(野尻克己監督)で第33回高崎映画祭最優秀主演女優賞を受賞。主な映画出演作に、『Shall we ダンス?』(96/周防正行監督)、『シュアリー・サムデイ』(10/小栗旬監督)、『怒り』(16/李相日監督)、『リップヴァンウィンクルの花嫁』(16/岩井俊二監督)、『生きる街』(18/榊英雄監督)、『うちの執事が言うことには』(19/久万真路監督)、『女の機嫌の直し方』(19/有田駿介監督)、『乱反射』(19/石井裕也監督)、『一度死んでみた』(20/浜崎慎治監督)『生きちゃった』(20/石井裕也監督)など。
夏木 マリ
初指揮にして
幸せをテーマに抱えるとは何という手腕!
気づかない日常から、
幸せは近くにあることを映す演出は見事です。
そして、新人が魅力的な映画は
いい映画に決まっているのです。
監督デビューおめでとう..... 素晴らしい.....
映画監督|矢崎 仁司
絆とか団結とか、
いろいろと不穏な空気の世界に投げ込まれた新鮮なパプリカ。
同じ方向に走らされている今、
「いつでも立ち止まっていいんだよ」って手渡されたピクルス。
池田エライザ監督は映画と格闘して、
決して甘くも苦くもない、酸っぱい映画を生んだ。
ありがとう。
女優|上白石 萌音
池田エライザという人の目に、
世の中がどう映っていたのか、
そしてどう映っているのかを、
少し覗かせてもらったような気がしました。
汗ばんでしまいそうになるほど
静かで熱い夏が詰まっていました。
映画批評家|南波 克行
青春の夏を描く繊細で豊かな場面の連続に、まるで映画を目で聴き、耳で見るかのようでした。全てのシーンはアートとして成立するほど磨き抜かれ、最後にどっと感動が押し寄せる。真の才能の凄さにひれ伏す思いです。
批評家/多摩美術大学准教授|金子 遊
ふたりの高校生の、愛情に転んでしまいそうな揺れる友情。
饒舌で空疎な言葉では、本音に届くことはできない。
炭坑町に祭り太鼓を轟かせることで、伝わる気持ちもある。
その九州島の鼓動に、海向こうにあるフィリピンの幻影を見た。
俳優|山田 裕貴
懐かしい気持ちと、あの頃の感情を表現するにはぼくにはもう思い出すことしかできないと思うと少し寂しくなりつつ…
「若者よ、経験しろ~、いろんな感情を味わえ~」と思いながら見ていました。
何かを続ける、辞めるという選択は自分の人生の中でも想った事…いろんな感情を味わう事が大人になることなのかなと思ったりもした。
そして、多方面で多彩なエラさん(池田エライザ)の頭の中を垣間見れた気もして、俳優仲間として、友人としても、嬉しくなれました。
映画評論家|轟 夕起夫
なんだろう……このどっしりと落ち着いた、けれども時に「ハッ!」とさせる演出は。コズミックブルーな夜の学校のプールは、青春の最高の舞台。若葉のころの“あの夏”を、呼び覚ますような映画だった。
フリーライター/ひきこもり訪問サポート士|石川 清
僕はひきこもりを誘って東南アジアの田舎を一緒によく歩く。アジア特有のまったりとぬくもる時間や空間に没入すると、傷ついた心もゆっくりと癒える。自らの心を窮屈な袋小路に追いこんでしまう、現代人の哀しい状況を解き放つヒントが、この映画で見つけられるかもしれない。
映画評論家/映画監督|田中 千世子
仲良し男子は一緒に学校に行き、一緒に遊んで一緒に昼飯を食べる。これが永遠に続けばいい―。カミユの名言「ただ僕と一緒に歩いて、友達でいてほしい」を受験問題集の中に見つけるシーンにハッとする。女子にはうらやましい男子の友情を綺麗に描きあげて、素敵だ。
映画評論家|尾形 敏朗
地方に住む17歳の少年の夏。日常の愛おしさを感じつつ、ゆっくり道を選んでいく。これは時の流れの映画。孵化を見つめるような池田エライザ監督のやさしく冷静な視線にちょっと驚き、それに応えた撮影もよかった。
ライター|浦川 留
青春映画の宝庫、台湾の珠玉の作品群にも通じる清廉な空気感。
ゆっくり流れる時間のやさしさとなつかしさ、時に切なさ。
いつか通ってきて、ふとした瞬間に思い出す「今」の輝きがそこにある。
ミステリー評論家/コラムニスト|三橋 曉
和太鼓の力強さに負けない青春映画の鼓動が伝わってくる。
未来に迷い、あがく若者たちの姿を追う熱く真摯な目線が、スクリーン越しに容赦なく突き刺さる。
やがて見える希望に、家族の温もりが寄り添うのもいい。
映画ジャーナリスト|関口 裕子
熱い感情が、皮膚の下を流れている。スクリーンに広がるのは、北野武の『キッズ・リターン』の青でも、相米慎二の『夏の庭 The Friends』のグリーンでもなく、緑という名の青(ブルー)。山に囲まれた町で育った少年たちの何気なく見える巣立ちに、柔軟性の強さと時間軸に捉われない時間(かち)を発見した。
映画評論家|西脇 英夫
「幸せって、なに?」と思い巡らせる、青春の通過儀礼。どんなに強がっても、チャラぶっていても、その深層には熱くて繊細な心情が脈打っているのだ。こんなにピュアでさわやかな青春映画は、久しぶりだ。
映画批評/目白大学准教授|杉原 賢彦
期待を抱くこと、それはつまり幸福であるということ──アランの言葉を、なによりこの映画に! <明日>を発見することを始める1篇だ。
映画関連著述家|小林 淳
男子高校生2人の胸の高鳴りが和太鼓の響きとともに聞こえてくる。神秘的な少女との邂逅、風の囁き、青い空、プールの水音が大人の扉を開けていく。あの夏の日が無性に愛おしい。池田エライザの感性が芳しく香り立つ。
映画文筆|増當 竜也
若き才人・池田エライザが青春=映画に宛てた真摯なラブレター。「地域」と「食」への目配せも巧みに、少年たちの心と体の繊細かつ大胆な躍動を瑞々しく奏で上げていくその力量! 彼女には今後も映画を撮り続けてほしい。
映画ライター|遠藤 薫
大昔、数年だけ暮らした田川という街がやけに懐かしく、不思議に魅力的で、なぜだか泣きなくなった。池田エライザを女優として好きだが、この作品を彼女が監督したと知らずに見ても好きになる。必ず。
映画評論家|松崎 健夫
青春時代と夏休み、若さゆえの熱と夏の暑さ。ひとときの時間や熱気に対する監督の視線には「もう戻ることのない何か」という郷愁がある。汗をかいても気にならない、そんな爽快さを伴う“熱”は若者たちの特権だ。
娯楽映画研究家|佐藤 利明
池田エライザの視点と演出の確かさに、心動かされた。
十代のひとときを、みずみずしく掬い取って、豊かな時間が紡ぎ出された。
新たな青春映画の佳作が生まれた。